2014年12月26日

中ノ沢病院(群馬県)

赤城山の中腹、国道353号線からすこし北へ入ったところに、今は残骸をさらすだけの心霊スポット『中ノ沢病院』があった。
現在では門と瓦礫の山だけだが、異様な雰囲気は相変わらずだ。
職場仲間の中田さんから、中ノ沢病院がまだ建物として残っていた頃、おそらく10年前くらいの話を聞いた。

いまから10年ほど前のある夜、中田さんは現在奥さんである彼女を連れて肝試しに中ノ沢病院へやってきた。
あくまでも軽いノリだったという。
そこは地元でも有名な心霊スポットで、同時に不良の溜まり場にもなっていた。
つまり近づくとロクなことがない、ということだ。
中田さんが訪れた時に人影はなく、重い空気が立ち込めていたという。
彼女もかなり度胸の座った人でまったく怖がっていなかったので、ふたりは荒れ放題の敷地内をずんずん進み、こともなげに病院の建物内へと入った。

内部も荒れ放題で、床には割れたガラスや医療器具が散乱していた。
しかし、それといって目を引くものもなく、病院内を一通り回ったら帰ろうということになった。

そのとき、すぐそばで床に落ちたガラスをジャリっと踏みしめるような音がした。
ジャリッ、ジャリッ・・・ 。
自分は立ち止まっているし、手をつないだ彼女も動いていない。
中田さんが手に持っていた懐中電灯が不意に消えた。

真っ暗の院内でジャリッという音だけが響き渡る。
あまりの恐怖に中田さんも彼女も声が出なかったという。
暗闇の中、何者かが自分たちのそばを動き回っている。
ジャリッ、ジャリッ・・・ 。
どのくらいの時間が経ったのだろうか。
中田さんと彼女は何者かの気配に怯えながら震えていた。
「ぎゃーーーーーーっ!!」
突然彼女が鋭い悲鳴を上げた。
それと同時に、彼女はつないだ彼の手を引っ張り、暗闇の中を無我夢中で逃げた。
それから、どこをどう走ったのか。
なんとか外へ出て車に乗り込み、明るい街中まで一気に車を走らせた。
彼女は泣きじゃくりながら話し始めた。
「裸のおじいさんがいたの。真っ暗だったのに、背の曲がった骨と皮だけのおじいさんが見えたの。」
「何かされたの?」
「私の手にかみついたの!」
ルームライトの薄暗さでも確認できるほど、彼女の左手には人間のものと思われる歯型がはっきりと残っていたそうだ。

10年経った今、歯型は消えているが、中ノ沢病院跡の近くには二度と行きたくないと話していた。
posted by オカルト この世の不思議と謎 at 18:59 | 心霊スポット